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平成22年度経営計画・実績の評価

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   三重県信用保証協会は、公的な「保証機関」として、中小企業者の資金調達の円滑化を図り、中小企業者の健全な育成と地域経済の発展に貢献して参りました。 平成22年度経営計画の実施状況に対する自己評価は以下のとおりです。
   なお、中小企業診断士大竹美光先生、公認会計士山中利之先生、四日市大学河崎亜洲夫教授により構成される「外部評価委員会」の意見を末尾に掲載させていただきました。

1 業務環境

(1)地域経済及び中小企業の動向

   中小企業を取り巻く経営環境は、平成20年9月のリーマンショック以降、依然として厳しい状況が続いており、経営状況の悪化が予想される状況にありました。このような中、平成22年度の県内経済情勢は、県内の鉱工業生産指数(平成17年=100)が平成22年3月の100.9から平成23年2月には107.8まで回復し緩やかながらも持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、平成23年3月は95.9と東日本大震災の影響などから大幅に低下し、県内経済は弱まっています。

   平成23年度は、東日本大震災の影響により自動車関連など製造業を中心とした生産活動の低下や自粛ムードの影響により、県内の経済の悪化が懸念されます。

(2)中小企業向け融資及び保証の動向

   円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策に基づき、既存の景気対応緊急保証などに加え、借換保証の拡充・推進や中小企業金融円滑化法の趣旨を踏まえた返済緩和の条件変更など中小企業の資金繰り支援を実施しました。

   当協会の平成22年度の保証承諾額は2,172億円(内、緊急保証1,049億円)で、平成23年3月末の保証債務残高は、4,948億円(内、緊急保証2,396億円)となりました。また、平成22年度に承諾した返済緩和の条件変更承諾額は5,755件 830億円(対前年比156.6%)となりました。

(3)三重県内中小企業の資金繰り状況、設備投資動向

   平成23年1月の三重県景況調査によると、今期(平成23年1月~3月)の資金繰りについて「好転」と回答している企業が3.2%、「悪化」と回答している企業が18.7%となっており、「悪化」が「好転」を大幅に上回っています。平成22年1月の調査と比較すると、好転が0.7ポイント減少しましたが、悪化も4.5ポイント減少していることから、改善の傾向が伺えます。

   設備投資動向については、今期(平成23年1月~3月)の設備投資意欲について「上昇」と回答している企業が9.9%、「下降」と回答している企業が32.5%なっており、設備投資意欲は依然として弱いものとなっていますが、平成22年1月の調査と比較すると、上昇が2.8ポイント増加し、下降は7.4ポイント減少していることから、改善の傾向となっています。

   しかしながら、平成23年度は東日本大震災により製品・部材の供給制約による生産の停滞や自粛ムードの広がりの影響により資金繰りが悪化する企業の増加が懸念されます。また、資金繰りの悪化や電力の供給不安を背景に企業の設備投資マインドも一層落ち込むことが予想されます。

(4)三重県内の雇用情勢

   県内有効求人倍率は、平成22年4月の0.54倍から平成23年3月では0.73倍と緩やかに持ち直しつつありますが、30か月連続で1倍を割り込む低水準が続いています。
   東日本大震災の影響から、今後の雇用情勢については持ち直しの勢いが衰え、有効求人倍率は低下傾向に転じることが懸念されます。

2 事業概況

   平成22年度における当協会の事業概況について、平成20年10月から取扱いが開始された「緊急保証」の申込みは、平成23年3月末までの累計で16,872件、3,859億円の保証承諾となりましたが、平成22年度は減少傾向で落ち着いた状況となりました。このため、平成22年度の保証承諾は、13,336件、2,172億円(対前年度比86.6%)と平成21年度実績を下回りました。

   期末の保証債務残高は、40,943件、4,949億円(対前年度比96.8%)と昨年度に比べ減少し、5,000億円を下回りました。
   一方、代位弁済は、中小企業金融円滑化法による返済緩和の条件変更の増加を背景に、893件、116億円(対前年度比94.4%)と減少しました。
   また、求償権回収額は、35億円(対前年度比122.3%)の回収となりました。

   平成22年度の保証承諾等の主要業務数値は、以下のとおりです。

 

(単位:件、百万円)
項 目 件数 前年度比 金 額 前年度比 計画値(金額) 計画達成率
保証承諾 13,336 83% 217,236 87% 180,241 121%
保証債務残高 40,943 97% 494,856 97% 481,324 103%
代位弁済 893 87% 11,630 94% 16,264 72%
回収 3,469 122% 3,046 114%

3 決算概要

   平成22年度の決算概要(収支計算書)は、以下のとおりです。

(単位:百万円)
経常収入 5,772
経常支出 3,293
経常収支差額 2,479
経常外収入 15,178
経常外支出 15,934
経常外収支差額 -755
制度改革促進基金取崩額 88
当期収支差額 1,812

   経常収支については、信用保証料が、一般保証に比べて信用保証料率の低い「緊急保証制度」の利用が多いことから前年度に比し95百万円の減収となりましたが、責任共有負担金の増加、信用保険料の減少等から、経常収支差額は24億79百万円(対前年度+3億36百万円)となりました。

   経常外収支については、代位弁済額の減少等により求償権償却額が減少したこと、金融安定化特別基金から振り替えた損失補償金4億円を求償権補填金戻入として経常外収入に計上したことなどから、経常外収支差額は▲7億55百万円(対前年度+12億66百万円)となりました。

   この結果、当期の収支差額は18億12百万円となりました。

4 重点課題について

平成22年度の重点課題として掲げた項目への取り組み状況は、以下のとおりです。

(1)保証部門

[1]迅速で的確な保証審査

   昨年度立ち上げた協会内プロジェクトチームの結果に基づき、共同システムを活用した審査基準を策定、運用し迅速且つ適正な保証審査に努めました。

   また一方で、財務分析だけではなく、経営者の事業改善意欲、企業の持つ技術力・販売力などの定性要因を評価するため、積極的に実地調査を行いました(本店営業部135件、四日市支店271件)。引き続き積極的に実地調査等に取り組み、中小企業の事業継続、事業改善を支援します。

   さらに、本店、支店合同で保証事例研究会を定例(月1回程度)で行い、審査能力の向上に継続して努めています。

[2]円滑な保証事務のための、金融機関との連携強化

   金融機関との連携、情報共有を推進するため、本店営業部と四日市支店がそれぞれ各金融機関と勉強会を行ったほか、7月には金融機関との情報交換会を実施しました。
   また、平成21年12月に発足した金融機関との調整連絡会議も2回行い、直面する課題の解決に努めました。

[3]企業浸透率の向上

   昨年度に引き続き、金融機関と商工団体に向けて新規保証推進キャンペーンを展開しました。
    また、金融機関との提携保証や保証条件を優遇した期間限定の制度を創設するなど、中小企業の利用促進を図りました。

   これらの結果、平成22年度の三重県信用保証協会の新規利用者数は1,170件でしたが、平成22年度末の企業浸透率は30.2%と、平成21年度から0.4ポイント減少しました。
   引き続き新規保証の推進に努めるとともに、創業支援や事業転換・新分野進出支援に取り組み、企業浸透率の向上を図ります。

[4]金融・経営相談などの充実

   各地域の商工団体と連携し相談会を5回開催したほか、中小企業庁や三重県が主催する一日中小企業庁やワンストップサービスディに積極的に関与し、相談者に対して親身な対応に努めました。
   また、年末、年度末の資金繰り相談に応えるため、平日の相談窓口の開設時間を延長するとともに、土日祝日も相談窓口を開設しました。

[5]事業承継支援、創業支援の強化

   創業の促進を図るため、三重県をはじめ、金融機関や大学などと意見交換を重ねて行い、平成23年度からは積極的な創業支援を展開していきます。
   また、事業承継支援として、商工団体や弁護士、公認会計士といった専門家の協力のもと「事業承継セミナー」を開催するとともに、相談会を実施しました。

(2)期中管理部門

[1]企業情報の早期取得と経営支援の強化

   積極的に保証先企業を訪問し(81企業)、資金繰り状況等を確認するなど親身に相談等に応じました。
   また、大口保証先については、金融機関から決算書を徴求(決算書完成時から2か月以内に請求)するなどして、財務内容の把握に努めました。

   保証条件変更の申込に対しては「中小企業金融円滑化法」の趣旨を踏まえ、迅速・的確な対応に努めた結果、返済緩和の条件変更は5,755件 830億円(対前年比156.6%)の条件変更承諾となり、中小企業の経営支援に努めました。

   今後も、保証後のフォローを積極的に行い、経営支援の強化を図ります。

[2]資金繰り改善に向けた具体的な支援

   借入金の集約や条件変更により資金繰り改善を図り、中小企業の事業継続に努めました。
   また、7月に再生支援連絡会議(通称:ミニ再生。事務局 信用保証協会)を立ち上げ、中小企業の事業再生支援に努めました(平成22年度実績 12企業)。

[3]事故報告先の現状把握

   金融機関からの事故報告の提出を受けてからでは初動が遅れることもあることから、事故報告提出前からも金融機関と連携し、中小企業の現況把握に努め、企業訪問や条件変更の実施を行いました。

(3)回収部門

[1]回収業務の効率化

   共同システム活用を促進し、債務者等の実情や入金状況の把握に努めるとともに、求償債権の内容に応じて定める基準を見直すなど業務の効率化を図りました。

[2]サービサーの活用

   サービサー機能の有効活用を図るため、792件 102億円の求償権を回収委託しました。サービサー三重営業所の求償権回収額は12億円(対前年比141.4%)と大幅に増加しました。
   また、回収困難先については、顧問弁護士に13件の回収委託を行いました。

[3]早期の実態把握及び回収着手

   期中管理部門と連携し、代位弁済日程を前倒しすることで、早期に返済交渉をしたり、所有不動産に対する抵当権設定や不動産仮差押手続きをするなど早期着手に取り組みました。
   今後も、期中管理部門との連携を一層進め、回収業務の早期着手を図ります。

[4]回収強化と事務の効率化

   夜間面談は30先ほど実施しましたが、休日面談は1回だけの実施にとどまりました。
   管理事務停止、求償権整理手続きを積極的に行い、事務の効率化を進めました。

(4)その他間接部門

[1]人材の育成

   協会の内部講師による階層別研修や外部講師による研修会の実施など研修の充実を図りました。
   また、全国信用保証協会連合会の実施する協会資格検定(信用調査検定プログラム)の受験や中小企業大学校へ2名派遣するなど個人の能力開発も取り組みました。
   2月には異動方針を見直し、職員の意識改革、能力開発の更なる促進を図っています。

[2]コンプライアンス、個人情報保護への的確な対応

   コンプライアンスチェックシートや協会内研修会を通じ、コンプライアンス関係や個人情報保護関係の規程等の理解、浸透に努めました。
   内部監査について、定期監査と事後の検証監査を行い、追跡検証の徹底を図りました。

[3]リスク管理体制の強化

   策定した事業継続計画について説明会を開催し職員への周知を図りました。
   また、事業継続計画にしたがい、情報伝達訓練を実施しました。継続して訓練等を行い、事業継続計画の徹底を図ります。

[4]組織体制の整備・強化と効率的な人員配置

   協会内に「期中管理業務検討プロジェクト」、「信用補完制度見直し検討プロジェクト」、「業務改善プロジェクト」を立ち上げ、年度内に結果をまとめたほか、全職員が事務改善提案を行うなど継続的に組織体制の見直しや事務効率化を図りました。

5 外部評価委員会の意見等

「外部評価委員会」の意見については、以下のとおりです。

   平成22年度は東日本大震災の発生までの間は、緩やかな景気回復基調の中にあり、中小企業は緊急経済対策の制度等も利用しながら経営改善に取り組んできた。

   信用保証協会は国の中小企業施策の一翼を担い、中小企業の体質改善に寄与し、全体の業務としては事業計画をほぼ達成している。

   内部の人材育成、組織変更に取り組み、従来と比べ一歩踏み込んだ創業、新分野進出、事業転換、事業承継、事業再生等の分野での前向きな中小企業支援の姿勢が見られ、この点は評価できる。

   東日本大震災の直接的、間接的な中小企業への影響、また、中小企業金融円滑化法に伴う返済緩和の条件変更後の問題発生が懸念される等、まだ中小企業には厳しい状況が続いており、今後も中小企業の事業継続、発展に向けて、金融機関、中小企業支援機関と連携をしながら、迅速な対応が望まれる。