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平成19年度経営計画・実績の評価

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三重県信用保証協会は、公的な「保証機関」として、中小企業者の資金調達の円滑化を図り、中小企業者の健全な育成と地域経済の発展に貢献して参りました。

平成19年度の年度経営計画に対する実施状況は以下の通りです。なお、実施状況の評価に当たりましては、中小企業診断士大竹美光先生、公認会計士山中利之先生、四日市大学河崎亜洲夫教授により構成される「外部評価委員会」の意見・アドバイスを踏まえ、作成いたしましたので、ここに公表いたします。

1.業務環境

(1)地域経済及び中小企業の動向

県内の経済情勢については、地域や業種によって業況に格差がみられる。今後も県北部を中心とする「電子部品・デバイス」、「輸送機械」、「一般機械」などの製造業が県内景気を牽引して緩やかな成長を持続するとみられるが、景気判断も下方修正されてきており、生産活動や設備投資への影響が大きいアメリカ経済が大きく落ち込むことなく、拡大を続けられるか、また、国内においてはガソリン、食料品等の価格の高騰から個人消費の動向が注目されます。

県内中小企業は、依然として地域や業種、企業間による格差が見られるほか、原油をはじめとした原材料価格の高騰や公共工事の減少等から今後の動向に予断を許さない局面が続いています。

(2)中小企業向け融資の動向

県内銀行の平成19年度末貸出残高は3兆4,342億円となっており、平成18年度末と比べ543億円増加しています。また、県内信用金庫の平成19年度末貸出残高は5,773億円となっており、平成18年度末と比べ163億円増加しています。なお、平成19年度末保証債務残高は4,416億円となり、123億円減少しています。

(3)三重県内中小企業の資金繰り状況

平成20年1月の三重県景況調査によると、70%の企業が今期の資金繰りについて「不変」としていますが、「好転」が4.7%、「悪化」が21.1%となっており、「悪化」が「好転」を上回っています。

(4)三重県内中小企業の設備投資動向

平成20年1月の三重県景況調査によると、55.2%の企業が今期の設備投資意欲について「不変」としていますが、「上昇」が13.9%、「下降」が28.2%となっており、「下降」が「上昇」を上回っています。

(5)三重県内の雇用情勢

平成20年2月の有効求人倍率は1.34と全国の0.97%を大きく上回っていますが、過去1年間で見ると最も低くなっており、下降傾向となっています。

2.事業概況

当協会の平成19年度の事業概況は、昨年10月に「金融機関との責任共有制度」が導入されるなど信用補完制度において制度発足以来の改革が実施される中、基幹業務である保証業務は、保証承諾14,985件、1,958億円と前年度に比べ件数で17%、金額で15%の減少となり、保証債務残高については、42,755件、4,416億円で、前年度に比べ件数では1%の増加、金額では3%の減少となりました。

一方、代位弁済は1,037件、127億円と引き続き高水準で推移し、前年度に比べ件数では6%の増加、金額では1%の減少となりました。

また、回収については、32億円と前年度に比べ1%の増加となりました。

平成19年度の保証承諾等の主要業務数値は、以下のとおりです。


(単位: 件、百万円)

項 目    件 数    前年度比    金 額    前年度比計画値(金額)計画達成率
保証承諾 14,985 83% 195,823 85% 212,695 92%
保証債務残高 42,755 101% 441,560
97% 426,214 104%
代位弁済 1,037 106% 12,731 99% 11,837 108%
回収 3,233 101% 3,308 98%

3.決算概要

平成19年度の決算概要(収支計算書)は、以下のとおりです。


(単位 :百万円)

経常収入 5,692
経常支出 3,707
経常収支差額 1,985
経常外収入 14,785
経常外支出 16,576
経常外収支差額 -1,792
金融安定化特別基金取崩額 209
当期収支差額 402

(金額の集計は四捨五入のため必ずしも合致しない)

  •   経常収入は、保証承諾、年度末の保証債務残高は減少したものの保証債務平均残高の増加等を主要因として前期に比べ3億11百万円の増加となりました。
  •   経常支出は、電算システムを全国52協会中、21協会が参加する共同システムへ移行したこと等からシステム移行関連費用が増加し、4億04百万円の増加となりました。
  •   当期収支差額は、金融安定化特別会計の収支差額の欠損と同額を金融安定化特別基金から取り崩して補填した結果、4億02百万円となりました。この収支差額の余剰額の処理については、基金準備金に2億01百万円を収支差額変動準備金に2億01百万円をそれぞれ繰り入れました。

4.重点課題への取り組み状況

昨年度の重点課題として掲げた項目への取り組み状況は、以下のとおりです。

(1)保証部門

[1]「様式の全国統一化」及び「金融機関との責任共有制度」の周知徹底

各金融機関、商工会議所、商工会等への説明会を開催し理解を得ると共にホームページ及び広報誌を活用して周知徹底を図りました。

また、実務の変更点に対し、金融機関等が遺漏無く対応できるよう関係機関に向けて、案内文書を発信するとともに、手引き書となる冊子(金融機関との責任共有制度・電算システム共同化にかかる事務手続きの変更)を作成し、周知を図りました。

なお、主要金融機関本部に対しては、直接訪問し変更点を説明し周知徹底を図りました。

[2]保証利用者の拡大と浸透度の向上

毎月、保証付き融資の完済先に対し保証制度のチラシ等を送付し利用促進を図りました。

「ものづくり推進保証」、「クイック保証」、「無担保ワイド」の協会独自制度を創設し、保証利用者の拡大を図りました。

本店・支店に合わせて4名配置されている保証推進員が、金融機関、商工会議所・商工会等を訪問し、保証協会のPR、保証制度の周知等を図りました。

中小企業経営クラブの会員数の拡大を図り、Eメールを利用した情報提供等を重ね、協会への理解、利用促進を図りました。

また、会員に対し講師を招き講演会を開催するとともに、中小企業経営診断システム(MSS)を利用した経営相談の案内文書を順次送付し、希望のあった先に対し中小企業診断士による経営相談を実施しました。

[3]「金融機関との責任共有制度」により影響を受ける中小企業者への配慮及び政策保証の推進

責任共有制度の導入に伴い、小規模事業者のために設けられた「小口零細企業保証制度」を年度途中に保証キャンペーンに追加し、保証推進を図りました。その結果、19年度下半期で628件、24億円の保証承諾となりました。

また、経営安定関連5号保証(セーフティーネット保証)は、年度後半の改正建築基準法の施行及び原油価格の高騰等に伴い、全国的に関連業種に属する中小企業者の業況が悪化していることを踏まえ、保証対象業種の大幅な追加指定が行われたこと責任共有制度の対象とならないことを要因に19年度中の保証承諾が333件、102億円となり、金額で対前年度比236.2%となりました。

一方、流動資産担保融資保証は36件、8億円の保証承諾に留まりました。その原因の一つとして、制度内容が難しい点等があることから、金融機関がより制度内容を理解できるよう取り組みを進める必要があります。

[4]利便性の向上

遠距離の中小企業者の利便性向上と利用拡大を図るため、地域相談会・出前相談会・協会内相談会(ウェルカム・デー)を122回開催しました。

また、四日市市の商店街の大規模な火災の被災企業者に対し、四日市商工会議所が2回開催した被災者の相談会に職員を派遣しました。

[5]目利き職員の養成

連合会等の研修に積極的に参加させることにより、審査能力の向上を図るため、企業の目利き講座、企業再生支援講座、企業審査のための財務分析講座、経営指導力養成講座、中小企業診断士試験対策講座、MSS活用講座、信用調査コ-スなどにのべ12名の職員を参加させました。

[6]「様式の全国統一化」及び「金融機関との責任共有制度」に合わせたマニュアルの整備

「様式の全国統一化」及び「金融機関との責任共有制度」に加え電算システムの共同化も踏まえたマニュアルを平成20年1月に整備しました。

(2)期中管理部門

[1]金融機関との連携強化による期中管理(早期実態把握)の強化

主要金融機関(百五銀行、三重銀行、第三銀行、桑名信用金庫)の企業再生支援担当部門と情報交換の会議を開催し、連携強化を図りました。これにより、返済緩和の条件変更を行っていた1先が正常化されました。

また、約定返済延滞者の債権管理のためシステムから3ヶ月ごとに出力されていた「延滞者リスト」が、共同化システムにより「督促リスト」として毎月出力されるため、より早期に債権管理に着手できるようになりました。

[2]職員の知識向上、スタッフの充実

弁護士による毎月1回の法律相談、OJT等により事例研修を開催して期中管理の知識の向上を図りました。

また、司法試験合格者1名を職員として採用し、スタッフの充実を行いました。このことにより、日常業務の中で職員の知識向上が図られるようになりました。

[3]再生支援室の活用

中小企業再生支援協議会の2次案件(再生計画を作成し金融機関と調整する案件)打ち合わせに、再生支援室員を派遣し、再生支援協議会との連携を図りました。(合計14回)

再生支援協議会と連携して再建計画等がまとめられた先は延べ32件となっています。

[4]「様式の全国統一化」及び「金融機関との責任共有制度」に合わせたマニュアルの整備

「様式の全国統一化」及び「金融機関との責任共有制度」に加え電算システムの共同化も踏まえたマニュアルを平成20年1月に整備しました。

[5]再生型保証制度の活用や相談体制の強化

残念ながら平成19年度はいわゆる「再生型保証制度」の保証実績は1件もありませんでしたが、求償権消滅保証について取り上げ検討まで至った案件が1件、経営診断支援事業(経営改善等を要する企業に専門家を派遣する当協会独自の事業)により専門家を派遣し、現在も求償権消滅保証について検討中の案件が1件となっています。

(3)回収部門

[1]」代位弁済後、1~2年目の回収ピッチ向上

週1~2回の訪問督促及び月1~2回の夜間督促の実施により、債務者等に対する速やかな調査、面談を行い、回収方針や回収行動計画を策定するように努めた結果、平成19年度の代位弁済に対して533百万円(対前年比120.2%)、平成18年度の代位弁済に対して907百万円(対前年比111.5%)の回収実績を挙げることが出来ました。

[2]回収目標額の設定及び管理

毎月、回収統計出力後、回収担当者と管理職が回収目標額と実績について検証し、目標達成への意識づけを行いました。

顧問弁護士への回収委託(100企業、4,491百万円)も積極的に行い、月1回の進捗状況管理会議を開催し連携を図り、回収目標達成に向け効率的な回収に努めました。


[3]サービサーとの連携強化

平成19年度は355件、2,949百万円の回収委託を行いました。

また、サービサーが行う回収行為の事前承認の省略範囲を拡大する合意書を締結し、事務の効率化を図りました。

[4]償却求償権の整理

平成19年度は管理事務停止279件、3,126百万円、求償権整理62件、320百万円を行いました。


[5]「様式の全国統一化」及び「金融機関との責任共有制度」に合わせたマニュアルの整備

「様式の全国統一化」及び「金融機関との責任共有制度」に加え電算システムの共同化も踏まえたマニュアルを平成20年1月に整備しました。

(4)その他間接部門

[1]統一ガイドラインに基づく「保証審査事務ガイドライン」、「保証料率の弾力化」、「様式の全国統一化」の実施に伴う、中小企業者及び関係機関(金融機関・商工会議所・商工会、中小企業団体中央会等)への影響についての実態把握および対応

平成19年12月に責任共有制度導入後保証承諾を行った中小企業者のうち1000先及び県内全金融機関の営業店にアンケート調査を実施しました。

その結果は、中小企業者に対するアンケートについては、責任共有制度について「知らない」との回答が全体(459先)の60%となっているため、協会が作成するお客様向けの出版物「信用保証のご案内」、「信用保証ガイド」に「責任共有制度」の解説を掲載し、その内容の周知徹底に努めています。

金融機関に対するアンケートでは、「責任共有制度の導入は妥当と思う」との回答が全体(521先)の81.8%となっており、責任共有制度への理解が進んでいるものと思われます。

[2]「金融機関との責任共有制度」導入に向けたシステム対応及び金融機関への周知

全国21協会が参加する共同化システムに平成19年9月25日に移行し、共同化システムにおいて「責任共有制度」導入に伴うシステム対応は的確に行われました。金融機関等の関係機関に対しても「責任共有制度」導入に伴い改正される事務取扱を事前に文書でご案内を行い、併せて「金融機関との責任共有制度・電算システム共同化にかかる事務手続きの変更」のガイドブック(冊子)を作成し、変更点の周知徹底を図りました。

なお、主要金融機関本部に対しては、直接訪問し変更点を説明し周知徹底を図りました。

[3]電算システムの9月の切替に向けた移行作業と、新システムの円滑な運用と活用

月に一回開催される信用保証協会システムセンター(株)(以下「システムセンター」という。)と共同化システム参加協会との打ち合わせ会議に参加するとともに、7月から9月25日のシステム移行までの間は、2週間に1回の割合でセンターと進捗会議を開催し、連携強化を図りました。

移行作業委託先とは、月1回の移行定例会議及び毎週の進捗会議を開催し、進捗管理と問題点等の共有化を行い移行作業の円滑化に努めました。

19年7月に部門別に2回に分けてオンラインの操作研修を開催し、協会内部のインストラクターとなるべき人材の育成を図りました。その後、全職員に対し、オンラインテストを兼ねた操作練習を行い操作習得を図りました。

[4]ホームページ及び広報誌(月報)の改正

ホームページの改正については、業者2先から意見を聞き、その内容について現在検討中となっています。月報については、3先から内容改訂について提案を受け、内容・価格を検討し、新しい発注先を選定し平成20年4月から内容を刷新しています。


[5]「コンプライアンスマニュアル」の周知徹底及びコンプライアンス体制の充実を図る

コンプライアンス認識度調査を5月及び11月に実施し、その結果をコンプライアンス担当者会議で分析し、分析結果を踏まえて各部署別にコンプライアンス担当者がビデオを活用した内部研修を実施するとともに、本年度も平成20年2月27日に、顧問弁護士を講師とした役職員全員を対象としたコンプライアンス研修会を開催しました。

また、役員及びコンプライアンス担当者は、内部会議に際してコンプライアンスの周知徹底に努めるよう啓発し、平成20年1月には内部通報者又は相談者を保護するための公益通報者保護規程を制定しました。

さらに、内部統制、経営管理、リスク管理態勢、法令遵守態勢の一層の整備を図るため外部研修機関が主催するセミナ-に幹部職員を派遣し、コンプライアンス体制の充実に努めました。

5.外部評価委員会の意見

当協会においては、中小企業診断士大竹美光先生、公認会計士山中利之先生、四日市大学河崎亜洲夫教授により構成される「外部評価委員会」の意見・アドバイスを踏まえ、この「平成19年度経営計画の評価」を作成いたしました。

「外部評価委員会」の意見・アドバイスについては、以下の通りです。

平成19年度は保証協会としての一つの転換点で「金融機関との責任共有制度」、「様式の全国統一化」、「コンプライアンス」などに取り組み、体制整備を図り、定着化を推進してきた。

個々の制度では、「ものづくり推進保証」、「クイック保証」、「無担保ワイド保証」など新規事業、独自事業に取り組み、中小企業の支援を目指した新しい試み、工夫が見られる。また、中小企業診断士の養成など職員のレベルアップを図り、目標達成度は全般的には、ほぼ満足できる状況にある。

平成20年度は、原油、原材料の高騰、景気の減速と中小企業を取り巻く経営環境は厳しく、さらに経営状況の悪化が懸念され、政府も金融機関に中小企業に対する資金供給を円滑に行うよう要請している。このような中で、「顔の見える協会」、「信頼される協会」をスローガン(標語)に中小企業の立場を考慮した顧客満足度を高める取り組みが望まれ、同時に、保証協会の財務の健全性を維持していくことが重要である。また、コンプライアンスについては体制は確立されており、更に運用面の徹底を図っていく必要がある。